Claude を Fusion 360 に接続する:AI で STEP モデルを修正する実例

Claude を Fusion 360 に接続する基本設定と STEP モデル修正の実例を整理する。API/MCP サービスの有効化、ポート接続、AI によるギア構造の分析、ねじ固定の遊星ギアをベアリング取り付け構造へ変更する流れ。

Claude を Fusion 360 に接続すると、単に「考え方を説明する」だけでなく、CAD モデルの修正に直接参加できる。典型的な流れは、既存の STEP ファイルを開き、Claude に現在のモデルを読ませ、構造上の干渉を分析させ、寸法を計画させたうえで、Fusion プラグイン経由でモデリング変更を実行することだ。

ここでは、遊星ギア分度器の修正を例に、Claude + Fusion 360 の基本的な使い方を整理する。

まず Fusion 360 の API/MCP サービスを有効にする

Fusion 360 で最初に基本設定を行う。

  1. 右上の Preferences を開く。
  2. General または「通用」設定に入る。
  3. API オプションを見つける。
  4. MCP server を有効にする。
  5. ポート番号を控える。デフォルト例は 27182

次に Claude に戻り、Connectors に入り、Fusion コネクタを見つけて、Fusion 360 のアドレスとポートを入力する。通常はデフォルトの 27182 でよい。

接続に成功すると、Claude は Fusion プラグインを通じて、現在開いているモデルとやり取りできる。

STEP ファイルを開き、修正目標を明確にする

今回修正するのは、遊星ギア分度器の中の一つのギアだ。元の設計では、このギアは一本のねじを中心軸としてブラケットに固定されている。

目標は、それをベアリング構造へ変更することだ。

  • 中心穴をベアリングに合わせる;
  • 周囲のねじ穴が拡大した中心穴と干渉しないようにする;
  • ブラケット上のタッピングねじ穴も、ベアリング回転に適した軸構造へ調整する;
  • 最終モデルはスライサーに読み込め、3D プリントに使えるようにする。

重要なのは、Claude に「ちょっと直して」とだけ言わないことだ。用途、組み立て方法、材料、製造方法をはっきり伝える必要がある。

Claude はスクリーンショットで現在のモデルを理解できる

Fusion プラグインはコマンドを実行するだけで、Claude にモデルを見せられないのではないか、と心配する人もいる。実際のテストでは、Claude はスクリーンショットを通じて現在のモデル状態を認識できた。

このケースでは、Claude はギア構造を確認し、次のような作業を行えた。

  • ギアと中心穴を識別する;
  • 関連寸法を測定または推定する;
  • ベアリング寸法を提案する;
  • ベアリング取り付けに影響する構造を判断する;
  • 中心穴を拡大すると、周囲のねじ穴と幾何干渉が起きる可能性を見つける。

このステップは重要だ。Claude が文字の指示だけで盲目的に修正しているのではなく、現在のモデルビューと構造判断を組み合わせられることを示している。

材料と加工方法は事前に伝える

最終的に 3D プリントするモデルなら、材料と工法を明確に Claude に伝える必要がある。

たとえば PLA でプリントする場合、ベアリング穴を CNC 金属加工の公差そのままで設計してはいけない。直径 6mm のベアリングを圧入するなら、穴径を約 6.1mm にすることを検討できる。この寸法が適切かどうかは、プリンター精度、材料収縮、スライサー設定、実際のテストによって調整する必要がある。

材料を伝えないと、Claude は CNC 加工の考え方で寸法を出す可能性がある。その場合、3D プリントでは穴が小さすぎ、後の組み立てが難しくなる。

プロンプトには次のように書くとよい。

1
2
3
このモデルは FDM 3D プリント用で、材料は PLA です。
目標は直径 6mm のベアリングを取り付けることで、プリント公差と圧入を考慮してください。
CNC 金属加工の公差として扱わないでください。

Claude にギア構造を修正させる

目標が明確になったら、Claude に具体的な修正を実行させる。

  • 中心穴を拡大する;
  • 干渉する周囲のねじ穴を調整する;
  • ベアリング取り付け座を追加する;
  • エッジに面取りを加える;
  • ギア本体と重要な噛み合い構造は維持する。

このケースでは、Claude はまず計画を出し、その後 Fusion 360 を呼び出してモデリング操作を行った。たとえば、元のねじ穴と中心穴が衝突すると判断した後、穴位置を少し外側へ移動し、ベアリング取り付け空間を壊さないようにした。

修正後は、モデルを確認する。

  • 中心のベアリング座が正しく形成されているか;
  • 周囲の穴が機能を維持しているか;
  • ギア構造が誤って壊れていないか;
  • 面取りが組み立てに影響しないか;
  • オーバーハング、薄肉、スライス上のリスクがないか。

ブラケットも一緒に修正する

ギアだけを変更しても足りない。元のブラケットにはタッピングねじ用の取り付け穴がある。ギア中心をベアリングに変更するなら、ブラケット側もベアリング軸構造へ合わせる必要がある。

Claude にブラケットにも同様の修正をさせられる。

  • 全体の取り付け位置を維持する;
  • 元のタッピングねじ穴を円柱状の軸に変更する;
  • 軸の直径と高さを制御する;
  • ベアリング回転のための空間を確保する;
  • ブラケットの他構造との干渉を避ける。

こうしてプリントすると、ギアはベアリングにスムーズに圧入でき、ブラケットは新しい回転中心を提供できる。最終的には、ねじ固定の構造が、より滑らかなベアリング回転構造へ変わる。

エクスポート、スライス、プリント検証

CAD 修正が終わったら、実際の製造フローに進む必要がある。

  1. Fusion 360 から修正後のモデルをエクスポートする。
  2. スライサーに読み込む。
  3. 穴、薄肉、オーバーハング、サポートを確認する。
  4. ギアとブラケットをプリントする。
  5. 実際にベアリングを圧入する。
  6. 回転が滑らかか確認する。

AI が修正した CAD 結果は、画面上のモデルがきれいかどうかだけで判断してはいけない。必ずプリントして検証する必要がある。特にベアリング、穴位置、スナップ、ギアのような機械構造では、0.1mm レベルの誤差が、組み立てられるか、滑らかに回るかを決める。

使用上の提案

Claude + Fusion 360 は次のようなタスクに向いている。

  • 既存 STEP モデルへの局所的な改造;
  • 穴位置、面取り、ブラケット、取り付け座の調整;
  • ねじ固定をベアリング、スナップ、ピン構造へ変更する;
  • 3D プリントモデルの公差補正;
  • 複数の改版案を素早く生成する。

ただし、何も確認せずに最終部品を直接出す用途には向かない。より安定した流れは次の通りだ。

  1. 人間が組み立て目標と材料工法を定義する。
  2. Claude が構造を分析し、修正案を出す。
  3. Claude が Fusion を呼び出してモデリングを実行する。
  4. 人間が重要寸法と干渉を確認する。
  5. 小さな試作品をプリントして検証する。
  6. 実物の結果に基づいて再度イテレーションする。

まとめ

Claude を Fusion 360 に接続する価値は、CAD の基礎知識を置き換えることではない。「既存モデルの局所修正」を速くすることにある。

目標、材料、寸法、公差、組み立て方法を明確に伝えれば、モデルを読み、干渉を見つけ、構造を修正し、面取りを追加し、プリント可能な状態へ進める手助けができる。3D プリント、オープンソース機械部品の改造、個人工房での小ロット試作において、この AI CAD ワークフローはすでに実用的だ。

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